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「花を摘む男女」

愛されたセト・ノベルティ展(横山美術館)

「花を摘む男女」
1957年ごろ、同館蔵

 戦前~1980年代、愛知県瀬戸市は欧米輸出用の陶磁の置物や装飾品「ノベルティ」の一大産地で、最盛期には300社以上の工房が腕を競った。本展は戦後以降に作られた約250点で、その魅力を紹介する。

 クラシカルな衣装を身につけた、高さ約60センチの西洋の男女の像。ドレスのドレープに描かれた花模様が繊細だ。よく見ると、指の1本1本や爪までもが形づくられている。

 17~19世紀の欧州の風俗を表現した「古代人形」は人気があった。この作品は、品質の高さに定評があった丸山陶器のもの。ドイツのマイセンなどの作品を入手し、まねて作り始めたが、独自の手法を生み出していった。「細かい部分まで手を抜かない、日本の職人技が生きています」と原久仁子学芸員。

(2018年9月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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