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「自画像」

愛されたセト・ノベルティ展(横山美術館)

「自画像」
1978年ごろ、同館蔵、高さ約20センチ

 戦前、戦後に愛知・瀬戸で作られた輸出用陶磁「ノベルティ」は、「新しい・珍しいもの」を意味する。

 本作は、米国の画家ノーマン・ロックウェル(1894~1978)の絵画を立体化した、斬新な作品だ。「ノーマン自身が鏡を見ながら自画像を描く」原画をもとに、工房の原型師が粘土で模型を作る。「原画に描かれていない部分まで想像して立体化するのは、相当難しい」と山口万里佳学芸員。イスの木目やシャツの陰影は手で彩色されており、細やかな技術が光る。

 ノーマンのシリーズは主に1970~80年代、米国で販売された。高さ15センチ前後が大半で、当時は50ドル程度であったためコレクターが多かった。本展には約160点が並ぶ。

(2018年9月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)