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国宝「源氏物語絵巻 竹河(二)」

源氏物語の世界 王朝の恋物語(徳川美術館)

国宝「源氏物語絵巻 竹河(二)」
平安時代(12世紀)、同館蔵

 約900年前に制作された「源氏物語絵巻」。徳川美術館では現存する絵画19場面のうち15場面を所蔵し、毎年秋に公開。今年は、額面装になっていた絵と詞書(ことばがき)を一場面ごとにつなぎ再び巻物装に修理した7場面と、修理前の3場面を順次展示する。

 12月2日まで展示中の本作は、玉鬘(たまかずら)の2人の姉妹が中庭に咲く桜の所有権を巡り、碁を打つ華やかな春の場面。夕闇が迫り、縁先に場所を移した様子を蔵人少将(くろうどのしょうしょう)が垣間見る。姉妹は御簾(みす)に隠れ、女房たちがそれぞれに応援をしている。

 斜め上から室内を表現する「吹抜(ふきぬき)屋台」様式でとらえた建物、詳細に描かれた調度品や衣装などに「平安時代の人たちはリアルを感じていたんです」と学芸部長の四辻(よつつじ)秀紀さんは話す。

(2018年11月20日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)