東アフリカのタンザニアとモザンビークの国境付近、マコンデ高原一帯に住むマコンデの人々。祭祀(さいし)に用いた仮面などの制作に始まり、1950年代ごろから高価な黒檀(こくたん)を使った土産物用の彫刻を作り始めた。
同館は、マコンデ彫刻の生の喜びを謳歌(おうか)するような自由な作風に魅せられた水野恒男館長(78)が現地で集めた、50~90年代の作品約2千点を所蔵。本展では「愛と性」をテーマに選んだ52点を展示し、マコンデ彫刻の魅力の一つであるおおらかな性表現を見せている。
本作を手がけたソンゲア・ゴスウェは、性表現を多く取り入れた作家。耳元で愛をささやき交渉を迫る雄ザルと、不満げな表情の雌ザルを素朴に表しており、どこかユーモラスで親しみやすい。