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「サルのたわむれ」

マコンデ彫刻の愛と性展(マコンデ美術館)

1960年代中ごろ
1960年代中ごろ

 東アフリカのタンザニアとモザンビークの国境付近、マコンデ高原一帯に住むマコンデの人々。祭祀(さいし)に用いた仮面などの制作に始まり、1950年代ごろから高価な黒檀(こくたん)を使った土産物用の彫刻を作り始めた。

 同館は、マコンデ彫刻の生の喜びを謳歌(おうか)するような自由な作風に魅せられた水野恒男館長(78)が現地で集めた、50~90年代の作品約2千点を所蔵。本展では「愛と性」をテーマに選んだ52点を展示し、マコンデ彫刻の魅力の一つであるおおらかな性表現を見せている。

 本作を手がけたソンゲア・ゴスウェは、性表現を多く取り入れた作家。耳元で愛をささやき交渉を迫る雄ザルと、不満げな表情の雌ザルを素朴に表しており、どこかユーモラスで親しみやすい。

(2019年3月12日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)