中部地方などの祭礼や人形浄瑠璃で使うからくり人形の制作、修復を行う木偶(でく)師・二代目萬屋仁兵衛(よろずやにへい、56、写真)。八代目玉屋庄兵衛(後に萬屋仁兵衛に改名)に師事、2000年に二代目を襲名した。本展では「浄瑠璃人形」のほか、祭礼で使う「山車からくり」、愛玩用の「座敷からくり」の三種の人形約40点を展示する。
写真の「お里」は、岐阜県重要無形民俗文化財で江戸時代から続く「半原操り人形浄瑠璃」の人形。「壺(つぼ)坂霊験記」の女房役で、3人で操作する。17年に、元々あった人形の着物以外を復元した。頭髪は人毛、顔や手は木に胡粉(ごふん)とニカワを混ぜた物を20回以上塗って乾かした。月夜の晩に息を吹きかけて磨くと、湿気でツヤが出るという。頭を動かすバネはセミクジラのヒゲを使うなど、昔ながらの素材、製法だ。