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からくり人形「女石橋」

二代目萬屋仁兵衛展(パラミタミュージアム)

からくり人形「女石橋」

 獅子の姿で勇壮に舞う歌舞伎の「石橋(しゃっきょう)物」をイメージした本作。パラミタミュージアムが木偶(でく)師・二代目萬屋仁兵衛(よろずやにへい)さん(56)に制作を依頼し、今年完成した。本展開催のきっかけとなった作品だ。

 赤い毛獅子のかぶり物を身につけた遊女が舞った後、獅子に姿を変える。クジラのヒゲでできたバネを内蔵し、絹などの糸を引いて操作するのが古来の手法だが、本作は機械が糸を引く。「コンピューター制御で、人が糸を引く動作を再現した」と同館学芸部長の湯浅英雄さん(65)。

 開館日の午後2時には実際に動く様子を鑑賞できる。遣い手がいなくても、人が操作しているような動きを楽しめるのは電動ならでは。「電動でも、人形に魂は入っている」と仁兵衛さん。伝統文化と最新技術の融合。からくり人形は進化し続けている。

(2019年7月2日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)