神獣や守護獣といった目に見えない存在を、独創的な美意識で描く現代美術家・小松美羽(1984~)。世界各地で活動し、近年はライブペインティングでも注目を集めている。本展では、初期から新作までの絵画や陶器など約50点を展示している。
元々は銅版画で単色の表現を追究していた。現在の多色使いは、2013年に出雲大社で参拝中、日光が虹色に見えたことがきっかけ。
本作も、黒く塗った背景に、アクリル絵の具の様々な色をのせている。中央の大きな神獣2体と、左下の子どもの神獣。3体は家族で、今まさに子が巣立とうとする様子を描いた。「絡み合った両親の尾には胎児のようなものも。この先も綿々とつながっていく命が表現されています」と学芸員・伊藤和彦さんは話す。