北米・五大湖周辺の水辺にすみ、水中の昆虫などを食べるホシバナモグラ。鼻の穴の周りにはイソギンチャクのような触手が22本ある。
狩りの際には鼻ちょうちんをつくって膨らませ、もう一度吸い込む。鼻ちょうちんに付いた臭いで獲物の存在を知り、触手にある小さな突起状の感覚受容器「アイマー器官」によって方向を特定する。
一般的に土の中で暮らすモグラの目は退化し、光を感じる程度の機能しかない。このため鼻先にはアイマー器官を備え、獲物の振動を感じることができる。ホシバナモグラの鼻は水中での狩りのために、こうした仕組みがさらに進化したと考えられる。
外敵に狙われにくい土の中に生活の場を移して適応、進化した「暗闇のハンター」モグラ。東京などを巡回した今展では、これら様々な動物の狩りの技術や体の進化に注目し、国立科学博物館の標本や剝製(はくせい)を中心に展示する。