ウロコが整然と並ぶ、よろいのような皮膚に覆われたコモドオオトカゲ。全長3メートル、体重160キロに達する例もある世界最大のトカゲの一種でインドネシアのコモド島や周辺の島にだけ生息する。
狙う獲物は哺乳類や爬虫(はちゅう)類。ウサギなど小動物はもちろん、牛や鹿といった大型の動物にも集団で襲いかかる。
下あごに「毒腺」があり、血液凝固を阻害し血圧を低下させる成分を分泌し、唾液(だえき)に混ぜる。鋭い歯でかみつかれた獲物は出血が止まらず、弱って倒れたところで餌食となってしまう。コモドオオトカゲを狙う動物は島にほとんどおらず、食物連鎖の頂点にいる。
同じく毒を使う爬虫類としてはヘビが有名だ。「ヘビはトカゲとは別のグループと考えられてきたが、一部のトカゲから進化してきたことがわかってきました」と国立科学博物館研究員の吉川夏彦さん。ヘビやオオトカゲなど、進化の過程で毒を獲得した爬虫類を「有毒類」というグループにまとめる仮説が提唱されている。