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「AKARI 14A」

イサム・ノグチ「光の彫刻」展(飛驒市美術館)

1952年ごろ シェードは和紙・竹ひご 幅40×高さ162センチ ©宮川邦雄
1952年ごろ シェードは和紙・竹ひご 幅40×高さ162センチ ©宮川邦雄

 彫刻家イサム・ノグチ(1904~88)は米国人の母と日本人の父をもち、米ロサンゼルスで生まれた。2歳で日本へ移り住んだが、13歳で再び米国へ。彫刻を学んだ後、世界中で創作活動を行った。

 「AKARI(あかり)」ランプ誕生について、ノグチは「その物語は魚から始まる」と書いている(みすず書房「イサム・ノグチ エッセイ」)。1951年に岐阜市で鵜飼いを見物、観覧船をほのかに照らすランタン(岐阜提灯)に目をひかれたのだ。

 つてをたどって市内の尾関次七商店(現オゼキ)の工場を見学。ノウハウを吸収するとその後何度も岐阜を訪れ、試作品を作り始めた。

 それ以前にも内部に照明を取り込んだ「ルナー彫刻」(ルナーは月に似た、という意味)を発表していたノグチ。和紙と竹による柔軟性と軽さに新たな可能性を見いだしたとされ、比較的初期の本作を含め35年間に200種類ほどの「AKARI」を生み出した。

飛驒市美術館ホームページ

https://www.city.hida.gifu.jp/site/hida-loca/09-03.html

(2022年4月19日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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