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陶製額入り孔雀絵レリーフ和製マジョリカ組絵タイル

日本のタイル100年 美と用のあゆみ(INAXライブミュージアム)

昭和初期 縦33.5×横35×厚さ4センチ
昭和初期 縦33.5×横35×厚さ4センチ

 見事な尾羽を休める2羽のクジャクが、4枚のタイルに描かれている。陶製の黒い額とセットで、壁飾り用につくられた。

 明治の開国以降建てられるようになった西洋建築の玄関床や暖炉回りには、当初輸入タイルが使われた。次第に需要も増え、輸入タイルを参考に国内生産されるようになった。

 中でも英国メーカーが開発した「マジョリカタイル」を模写した「和製マジョリカ」は、大正から第2次大戦前にかけて輸出もされ、中国、インドなど各地に渡った。

 型で凹凸をつけた素地(きじ)に、透明度の高い多色の釉薬で彩色した絵柄は中国向けには現地で好まれる吉祥モチーフ、インド向けにはヒンドゥー教の神々など。「短期間に輸出が盛んになったのは輸出先の求めに積極的に応じた成果」と学芸員の立花嘉乃さん。

 本作のクジャクモチーフは英国製の模倣と思われ、複数の国内メーカーのカタログや金型に同じデザインが残っている。

(2022年7月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)