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銀彩扇形ベリーセット

三重県立美術館「日根野作三展」

1950年代 知山陶苑 安藤進晤商店蔵

 果物の盛り皿と取り皿の大小2枚からなるベリーセット。扇のように波打つ器形は陶磁器デザイナー日根野作三(1907~84)がデザインした。「形や材質の美しさを基本にしながら遊びや人間味を重んじる、日根野のデザイン観が表れている」と、三重県立美術館学芸員の高曽由子さんは話す。


 本作を手がけた岐阜県土岐市の知山陶苑(とうえん)は職人の手仕事を強みとした。初代の安藤知山は「これからはデザインで勝負する」と考え、日根野と意気投合したという。


 通常は均質な形が重視される食器だが、本作は波形やゆがみのある有機的なデザイン。「それぞれの工場の個性や事情に合った図案を考えた日根野は、あえて均一にならないようなデザインにしたのだろう」と高曽さんは説明する。

 

※会期は9月24日まで。

 

 

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