七代錦光山宗兵衛 明治時代後期
高さ40.5×幅31.3㌢ 横山美術館蔵
墨色で丹念に描かれた木目模様。ふたには透かし彫りが施され、最上部に構える麒麟(きりん)の小さな牙が何本も見える。
明治期、京都・三条大橋の東側、粟田口と呼ばれる地域では精巧で華やかな陶器が多く作られ海を渡った。本作品を手がけたのは、中でも輸出を先導した窯元、錦光山の七代目宗兵衛(1868~1927)だ。
江戸時代に将軍家の御用も務めた錦光山は維新後販路を失い、海外向けに転換した。1884(明治17)年に家督を継いだ七代目は多様な表現に挑み、万国博覧会でも高く評価された。
※会期は10月9日まで。