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上絵金彩綾棒踊(あやぼうおどり)図花瓶

横山美術館「錦光山と帯山」

七代錦光山宗兵衛 明治時代後期
高さ37.6×幅28.2㌢ 横山美術館蔵

 山吹色から青色へ。本作品にも見られる鮮やかなグラデーションを得意としたのは明治時代に活躍した京都の窯元・九代帯山与兵衛(1856~1922)。技巧的な造形と華麗な色使いが、海外で高い評価を得た。


 江戸時代の延宝年間(1673~81)、京焼の産地・粟田口で開窯した帯山は明治時代、同じ粟田口の錦光山とともに神戸港の外国商館に陶器を売り込み、輸出ルートを切り開いた。1878年に家督を継いだ九代与兵衛は、精密な絵付と金彩で装飾した「京薩摩」を多く手がけ、輸出事業を発展させた。


 本作品には、しま模様の綾棒を高く投げ上げる人々や、太鼓や笛のおはやしが描かれる。上部には、ササの葉につるしたせんすと紙垂が。関連は不明だが、類似の踊りは京都の祇園祭でもみられる。「海外輸出を意識した日本的なモチーフだろう」と、横山美術館学芸員の北山明乃さんは話す。

 

  ※会期は10月9日まで。

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