40・8×31・2㌢ 19世紀
岐阜県歴史資料館
江戸時代、一枚刷りでニュースを伝えた「瓦版」。とりわけ幕末の1853年、開国を迫る米国艦隊の来航という一大事には大量の瓦版が出回った。
本作はペリー率いる艦隊が再び江戸湾に現れた年の発行とされる。上部に江戸湾の防備を担った大名・旗本約40人の名が並び、その下に星条旗をはためかせた蒸気船。もうもうと上がる煙、水車のような車輪など特徴を捉えている。
余白には「長サ四十五間」という船体の大きさや乗組員数「五百人」などのデータが記される。「ひるらると・せるもをん」とあるのは53年当時の米大統領ミラード・フィルモアのことだ。
「様々な情報が一枚に凝縮され、人々の『もっと知りたい』という好奇心に応えたのだろう」と、豊橋市二川宿本陣資料館の和田実館長は説明する。同時期の瓦版にはペリーの似顔絵を載せたものや幕府への献上品を報じたものもある。
※会期は12月10日まで。