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京都加茂川筋 川浚(かわざらえ)略図

豊橋市二川宿本陣資料館「瓦版展」

37・6×50・6㌢ 19世紀 大垣市教育委員会蔵

 河原にのぼりが林立し、そろいの衣装を着た大勢の人々が荷車を引く。一見すると祭りのようだが、荷車に積み込まれているのは土砂にみえる。


 1856年5月16日から「晴天凡(およそ)百日」の期間に行われた京都・加茂川(鴨川)の川ざらえの様子を伝える瓦版だ。


 川ざらえとは、川の底にたまった土砂などを取り除く作業。「つらい重労働を、非日常的な祝祭のように盛り上げて楽しんだのだろう」と、豊橋市二川宿本陣資料館の和田実館長はみる。


 幕末の不安定な世相を背景に、人々は不安を紛らわすかのようにお祭り騒ぎを好んだという。東海地方でも「ええじゃないか」とはやしながら乱舞する民衆運動が起き、各地に広がった。「本作のように気勢を上げる民衆を描いた瓦版が出回ったことも、人々の気持ちをかきたてたのかもしれない」と和田さんは解説する。

 

 ※会期は12月10日まで。

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