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千手

碧南市藤井達吉現代美術館「顕神の夢 幻視の表現者」

岡本太郎 1965年
油彩・キャンバス 227×182.7㌢
 川崎市岡本太郎美術館蔵

 上部に描かれた白い形は骨か顔か、指で輪を作る仏の手のようにも見える。それをとりまく赤、黄、オレンジは命あるもののよう。岡本太郎(1911~96)が60年代、抽象的なモチーフで呪術的な世界観を描いた作品の一つだ。


 18歳でパリに渡り民族学に傾倒した岡本は帰国後、縄文土器に美を見いだし、東北など日本各地の祭りや習俗を取材。見えない力と対話する呪術に魅了され、「芸術は呪術である」と唱えた。


 「よく分からないが、何かすごい、と感じるような、理解を超えた作品の創造を目指していた」と碧南市藤井達吉現代美術館学芸員の大長悠子さんは説明する。


 「霊性」をテーマとする本展では、人知を超えた「何か」を表現する近現代作家らによる作品を、一般的な美術史とは異なる物差しで測り直し、その豊かな力に着目する。

 ※会期は2月25日まで。

 

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