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金銅五鈷鈴(こんどうごこれい)

愛知県美術館「コレクションズ・ラリー」

平安時代(12世紀)、愛知県美術館蔵

 本作は、密教の儀式で用いられる仏具「金剛鈴」の一種。鈴を振り鳴らすことで仏の注意を引き、歓喜させるという。


 平安時代、本格的な密教が空海ら留学僧によって中国から日本に伝えられた。本作は現存する金剛鈴としては古式の優品という。


 愛知県陶磁美術館学芸員の大西遼さんは、「やきものではなかなか難しいシャープな形が魅力的。シンプルながら密教の世界観が凝縮されている」と説明する。


 鈴の上部に付いた五つのとがった爪状のパーツは、古代インドの武器に由来するという。「鋭い切っ先は、武器をほうふつとさせる。インド、東アジア、日本という仏教の空間、時間的な広がりを感じられます」と大西さんは話す。


 「祈り」がテーマのコーナーでは同様に爪状のパーツが両端についた金剛杵、金剛鈴と金剛杵(しょ)を置く金剛盤なども展示している。

 

 ※会期は4月14日まで。

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