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帯留「葡萄」

三重県総合博物館「パール 海の宝石、神秘の輝き」

18金ホワイトゴールド ダイヤモンド 真珠 1930~35年 横6.2センチ
ミキモト真珠島 真珠博物館蔵
 白、シルバー、ゴールドと色みの異なる真珠を並べ、ブドウの房を立体的に表している。シンプルながら存在感のある帯留めは、「真珠王」と呼ばれた御木本幸吉が東京・銀座に開いた「御木本真珠店」の品だ。
 
 日本では古くから天然真珠が採取された。産地の一つ、伊勢志摩では献上品などとして用いられ、江戸時代には医薬品として使われることが多かった。
 
 明治時代に真珠養殖技術を確立した御木本は事業化に乗り出し、様々な宝飾品や工芸品を制作。海外の博覧会にも積極的に出品した。
 
 「養殖真珠ならではの統一性という特徴を生かした洗練されたデザイン。裏側の金具を取り換えるとブローチになり、長く愛用できる仕様です」と、三重県総合博物館学芸員の甲斐由香里さんは説明する。ツルや葉の立体的な造形、葉に埋め込まれた極小ダイヤモンドなど、技術と美意識は細部からも見てとれる。
 
 
 
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