カラフルなパッチワーク模様のゾウ、エルマー。イギリスの絵本作家デビッド・マッキー(1935~2022)の代表作「ぞうのエルマー」シリーズは、60を超える言語に翻訳されて愛されてきた。本作は、シリーズ第1作の表紙の原画だ。
いたずら好きで好奇心旺盛なエルマーは、ジャングルの人気者。仲間のゾウと同じ色になりたいと悩み、こっそり群れを抜け出して「ゾウ色」をした木の実を体じゅうに塗りつける。
「自分であり続けることや多様性を意識した物語。エルマーの陽気なキャラクターやほのぼのとした絵柄で、物語のメッセージを親しみやすく伝えている」と、清須市はるひ美術館学芸員の加藤恵さん。マッキーは、エルマーのいたずら好きな性格が自身と似ているとも話していたという。
本作の画材は色鉛筆など。第1作の他の場面には水彩、スプレーなども用いながら描かれている。