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寛政暦(部分)

トヨタ産業技術記念館「測天量地 江戸の地図づくり・知恵と技」

(部分) 24.0×134.0㌢ 江戸後期 トヨタコレクション

 江戸時代に発展した天体観測、土地測量の技術は、精度の高い暦や地図を生み出した。今展では、トヨタコレクションの史料や道具から発展の歴史をたどる。

 展示品は1819年の暦を1枚に表したカレンダー。1~12月の月日がびっしり連なり、毎日の吉凶、二十四節気、日食や月食の予想日なども記されている。
 時の流れを年月日などの単位に当てはめた暦は、古くから暮らしに欠かせないものだった。日本では平安時代から中国の宣明暦を用いてきたが、江戸時代には太陽や月などの動きを観測して暦を作る暦学が発達。幕府天文方を中心に4回の改暦を行った。
 1798年から採用された寛政暦は、西洋天文学の漢訳本を参考に作られた。「暦作りは幕府の威信につながった。特に日食や月食は不吉の予兆とされ、正確な予測が重要だった」と、トヨタ産業技術記念館学芸・自動車館グループの古里博英さんは話す。