本展のテーマは「青」。岐阜県東美濃地方のタイルメーカーや商社など27社が、青色タイルを用いたパネル作品を製作。集まったパネル242枚を、茶室の意匠を採り入れた小部屋の内側全面に張り、「青の世界」を表現した。
本作は、多治見市のタイルメーカー三協製陶がこれまで製造販売してきた大小のタイルを用いた。「それぞれ表情の異なるタイルを組み合わせていて、全体で一つの絵画のようにも見える」と、多治見市モザイクタイルミュージアム学芸員の清水雄也さんは紹介する。
東美濃地方では昭和初期、釉薬(ゆうやく)を施した磁器質のモザイクタイル量産化に成功。国内有数のタイル産地になった。中でも青色タイルは第2次大戦後、アメリカ向けに数多く輸出され、邸宅のプールに使われた製品は「プールタイル」とも呼ばれてきた。1956年設立の同社もプールタイルを製造しているという。