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岐阜県現代陶芸美術館「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」

1966~67年 エスポー近代美術館/TWRB財団蔵 ©Archivio Venini

 フィンランドを代表するデザイナー、タピオ・ヴィルカラ。地元の「イッタラ」のガラス製品を始めとしたプロダクトデザインのみならず、空間やグラフィックなど、幅広く手掛けた。
 本作は、ベネチアンガラスの工房「ヴェニーニ」の依頼でデザインしたもの。工房が得意とする技術を生かし、色ガラスを多彩に組み合わせた。混ぜる金属は色で異なり、固まり方にずれが生じるためパーツの結合は至難の業。職人の腕の見せどころだという。
 豊富な色と職人の見事な技に魅了されたヴィルカラは、ベネチア湾に浮かぶ島の工房を何度も訪れた。誰よりも早く工房に来て職人らを出迎え、共に過ごし語らうことで、卓越した技法や素材の特徴を知ろうとした。
 「工程を知らずに図面は描けない」と、ヴィルカラはどんな物でも職人と相談しながらデザインした。本展では、オブジェや写真資料なども含む、約350点が並ぶ。

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