真鍮(しんちゅう)のサイコロを埋め込んだオブジェのように見えるが、人の手は全く加えられていない自然の造形物である。
黄鉄鉱は、多くがマグマに熱せられた地下水に溶け込んだ鉄と硫黄が、温度や圧力の低下などによって結晶化したもの。かつて、黄味を帯びた輝きはよく金と間違えられたことから「愚者の金」とも呼ばれた。
黄鉄鉱は、長い時間をかけて地層の中で大きくなる。なぜ自然に幾何学的な形が出来るのだろうか。学芸部自然係の鈴木大介さんは、「鉱物とは、原子レベルの小さな粒子が結晶構造という決まった形で規則正しく並んだものだからです」と話す。黄鉄鉱は、サイコロや食塩のように立方体になることが多く、水晶は先のとがった六角柱に成長することで知られている。
開館50周年記念の本展。県内で採れた鉱物など約420点を展示する。「岐阜県は地質学的に恵まれた土地。鉱物を通して、ミクロの世界の美しさや地球の面白さを伝えたい」