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本多平八郎姿絵屏風(びょうぶ) |
二曲一隻の屛風絵。右扇に文を見て恥ずかしそうにする女性たち、左扇に文を手渡そうとする禿(かむろ)と振り返る若侍。近世風俗画「文使い図」の代表作で、寛永年間(1624~44年)のものとされる。
右から3人目、葵紋の小袖を着た女性が徳川家康の孫、千姫(せんひめ)。若侍は桑名藩主・本多忠政の長男、忠刻(ただとき)(通称・平八郎)とみて、結婚する両者の出会いの場面と伝えられる。
若侍は腰に印籠(いんろう)や小袋を下げ、片手に金扇を垂らした「かぶき者」特有のポーズをとる。小袖の胸元をあけ、襟元の下着を引き上げて着るなど、「当時の流行がうかがえます」と学芸員の加藤祥平さん。