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アンリ・マティス「馬、女曲馬師と道化師」 |
奏でる旋律や草むらの物音、心にわき上がるリズム……。そんな「音」にちなんだ展覧会が開催中だ。所蔵作品から約80点が並ぶ。
サーカスをモチーフにしたこの作品は、仏の画家マティス(1869~1954)が晩年手がけた版画集「ジャズ」(1947年刊)の一つ。20点の切り紙絵を原画に用いたシリーズで、色と形が響き合い、まるでジャズの即興演奏のようだと完成後にこの名前が付けられた。
中央の馬以外は抽象的なイメージだが、曲馬師のスカートや道化師の衣装、大きくしなるムチを表している。曲馬の躍動感や華やかさが伝わってくる。