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17世紀初頭頃 ライマン・オーリン美術館、ニューロンドン(コネチカット州) |
いくら階段を上っても上りきれないなど目の錯覚を利用した「だまし絵」。今展は、2009年に好評を博した巡回展の続編で、20世紀以降の作品を中心に75点を展示する。
窮屈な空間に窓を描いたり、豊かに見せるために狩りの獲物を壁に描いたり。そんな古代のだまし絵は、ルネサンス期に飛躍的に進歩する。
それから約100年。17世紀に流行したのがこの「擬人化された風景画」だ。海に面した半島には畑や民家があり農夫や釣り人が描かれる。
一見のどかな岬の風景だが、反時計回りに90度回転すると男性の横顔が。鼻は城塞(じょうさい)、瞳は杉の木だろうか。一度錯覚すると元の風景が目に入らないほど強いイメージを植え付ける、古典的なだまし絵だ。