――サバ缶で、これまでにない味を開発したきっかけは。
今ある資源を活用し、新たにブランド化して売り出すためです。弊社の主力商品はシメサバです。しかし近年、シメサバの原材料として高値で取引される中・大型サイズのサバは水揚げ全体の1~2割ほどで、小型サイズのサバが増加しています。八戸沖でとれるサバは小型でも脂が豊富なのですが、そのままだと県外の他港と同じ価格で取引されてしまうんです。
もう一つの理由は、八戸土産の定番品をつくることです。私が県外出張に行く際は、りんごを使ったお菓子を持参していたのですが、「これは青森土産ではあるが、八戸土産ではない」との思いがありました。八戸を代表する魚といえば、イカとサバ。そのサバを使った新しい土産の定番品を作ろうと思い、青森県産業技術センター食品総合研究所と協力して開発を始めました。
――味の種類はどのように決めたのでしょうか。
まずは自分たちがおいしいと思う味を挙げて、試作しました。八戸のサバは、いろいろな味に合うんです。様々な候補が出ましたが、開発期間約1年間で販売のクオリティーに達したのは6種類。レモン味も当初候補にありましたが、酸度と缶の性質の関係で中断しました。10~15種類くらいボツになりました。ただし、酸度の課題は解決できそうなので、引き続き改良していきたいです。
――今後の展望は。
サバにちなんで38種類の味を展開したいです。今回はトムヤムクンやグリーンカレーなど世界のグルメがテーマでした。今後は青森県の調味料や特産品とコラボした「ラブ・青森」や、日本各地の調味料や特産品とコラボした「ラブ・ジャパン」などのシリーズも検討しています。今回味噌(みそ)味も考えましたが、地域ごとに味がかなり異なるため、あえて作らなかったんです。そうした地域ごとの味噌を使った商品も「ラブ・ジャパン」シリーズで作ってみたいですね。
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《青森県八戸市のサバ》 海水温の低い八戸沖では、冷たい海で脂肪を蓄えた粗脂肪分の高い大型のサバが水揚げされる。中でも、秋ごろを中心にした2~3カ月、三陸沖以北の近海で漁獲し、八戸港に水揚げされたサバは「八戸前沖さば」として、八戸前沖さばブランド推進協議会にブランド認定されている。 小型サバの増加には様々な要因があると考えられている。2013年生まれのマサバが極めて多いことにより、近年急にサバの資源量が増えたため、1匹あたりのエサが減ったことや、同じタイミングで増加中のマイワシとエサや分布域で競合していることなどにより、成長が悪化しているためだ。サバの資源量は今後しばらく減ることはなく、成長悪化は急に回復することはないだろうといわれている。そのため、加工分野では小型のサバの活用法が模索されている。健康に良いとされる栄養素が含まれることや時短料理に役立つことから最近ブームのサバ缶。「長く愛される商品になってほしい」と開発担当役員は話す。 |
◆株式会社マルヌシ
郵便番号031-0821
青森県八戸市白銀2-5-1
TEL(0178・33・1571)
八戸サバ缶バーの公式HP
(原則、オンラインでの販売なし)
https://38canbar.jp/
◆主な取扱店
・カネイリミュージアムショップ
青森県八戸市三日町11-1
八戸ポータルミュージアムショップ1階
TEL(0178・20・9661)
・A-FACTORY
青森県青森市柳川1-4-2
TEL(017・752・1890)
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