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映画のマスコット、ギズモは僕の中で元祖「キモかわいい」キャラクター。公開当時は「悪魔VS.天使シール」のキャラ作りをしていて、その愛らしさと奇妙さのバランスが絶妙だと思いました。
日光に当てない、水にぬらさない、真夜中すぎに食べ物を与えない――。クリスマス間近、この三つの条件とともに青年ビリーに贈られた謎の動物モグワイは、「ギズモ」と名付けられます。
「絶対に守れないやろう!」という厳しい条件の中、話はうまく展開するんです。案の定、水に触れてしまったギズモから、分身のモグワイ5匹が生まれる。その5匹が夜中に食事して、怪物グレムリンに変身。増え続けて大暴れします。
子ども向けファンタジーかと思いきや、モグワイをうまく育てられない人間や現代文明への警鐘が込められていて、なかなか深い。ビリーのお母さんがグレムリンを電子レンジで破裂させる場面など、ブラックユーモアも効いています。
温厚なギズモと凶暴なグレムリンは、人間の内面にある善悪の象徴かもしれません。ただ、酒場や映画館ではしゃぐグレムリンはなんだか憎めない。ビックリマンの悪魔キャラも同じ。こわもての中にも愛嬌(あいきょう)あるデザインを心がけました。
モグワイからグレムリンへの変身という「進化」も参考になりましたね。キャラクターは一度作ったら終わりでなく、次の展開を見据えて育てるのが大事。そうしてビックリマンの世界も30年描き続けています。
聞き手・中村和歌菜
監督=ジョー・ダンテ
製作=米
出演=ザック・ギャリガン、ホイト・アクストン、フランシス・リー・マッケインほか よねざわ・みのる
ロッテ「ビックリマンチョコ」についた「悪魔VS.天使シール」のキャラクターデザインを担当。発売30周年記念の原画展が巡回予定。 |