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仕事柄、ミニシアター系のおしゃれな映画が好きと思われがちですが、実はパワーがあってシンプルなハリウッド映画の大ファンです。
陸軍特殊部隊を除隊したキャメロンは暴漢から身重の妻を守るため、殺人を犯してしまう。8年の服役を終え、仮釈放となって乗り込んだのが、凶悪犯罪者たちを護送する連邦保安局の飛行機「コン・エアー」。
ニコラス・ケイジ、ジョン・マルコビッチ。出演する俳優はみんな、主役級の大物ぞろいです。キャスティングだけでこの映画の出来が予想され、興奮しました。飛行機を乗っ取ろうと計画する様々な罪状の犯罪者たちも実力派ばかり。目つきやたたずまいから彼らの悪の背景が感じられ、何も起こっていない段階からドキドキしてしまうレベルです。たとえ端役であったとしても、画面に登場した瞬間に引き込まれてしまいます。
この作品のストーリーは勧善懲悪で貫かれているので、安定感がある。登場人物の設定など細部に集中することが出来るんですよね。私の紅茶ブランドを運営する仕事の方が、意外性のあるドラマばかりです。うまく作りこまれた映画だからこそリラックスして見られるという部分もあります。
微炭酸のような小さな興奮がちりばめられて飽きさせません。スピード感と「えっ!」と思う展開でエンドロールまでハラハラさせる、最後までおいしい映画です。
聞き手・西村和美
監督=サイモン・ウエスト
製作=米
出演=ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、ジョン・マルコビッチほか やまだ・うたこ
紅茶専門店「カレルチャペック紅茶店」オーナー、紅茶研究家。「紅茶の時間 The Teatime Book」(メディアファクトリー)が発売中。 |