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片桐仁さん(お笑い芸人・俳優)
「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」(1989年)

未来の世界にドキドキの連続

 片桐仁さん(お笑い芸人・俳優)「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」(1989年)

 

 中学の頃、友達の家でパート1を見て衝撃を受けて。高校生の時にパート2が公開されると、大宮の映画館にすぐ見に行きましたよ。当時は入れ替え制ではなかったから、2回半は見たかな。

 高校生のマーティと友人の科学者ドクが車型タイムマシン、デロリアンに乗って、1985年から2015年にタイムスリップする。ちょうど今年なんですよね。映画の中の2015年は車が空を走っているし、宙に浮くスケボーに、靴ひもが自動で締まるスニーカーとか、とにかく派手。今見ると現実とはかけ離れているけど、当時はわくわくしたなぁ。

 公開後、東京駅の大丸でバック・トゥ・ザ・フューチャーの展覧会が開かれて、1人で行ったんです。展示されていた実物のデロリアンは、使い古されていてボロボロだったな。未来の街の背景画もあって、今だったらCGを使うところも手描きなんですよね。それだけで芸術ってくらいうまかった。その影響もあって、映画の美術さんに憧れたこともありました。

 未来の世界でマーティが悪役ビフに本を盗まれるところとか、都合が良すぎるくらいドキドキの連続で、ストーリーに無駄がないんです。マーティとドクの年の離れた友情関係もいいし、役者の表情も百点満点。色々な要素がギュッと詰め込まれている、究極のエンタメだと思います。小学生の息子も好きで、しょっちゅうDVDを見ています。この面白さは普遍的なんですね。

聞き手・永井美帆

 

  監督=ロバート・ゼメキス
   製作=米
   出演=マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイドほか
かたぎり・じん
 1973年生まれ。多摩美術大卒業。96年、小林賢太郎とお笑いコンビ「ラーメンズ」を結成。7月26日まで、幕張新都心で粘土作品の個展。
(2015年7月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)