|
西部劇、好きですよ。中でもこの作品のようなマカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)は、ドンパチも多くわかりやすくて、本当に見ていて楽しいです。
タイトルを日本語に訳すと「善玉」「悪玉」「卑劣漢」。舞台は南北戦争末期の西部。「卑劣漢」のトゥーコは「善玉」ブロンディと組んで賞金稼ぎをしていました。2人は仲間になったり離れたりしながら、南軍の兵士が墓地に隠したという20万ドルを探します。同じく20万ドルを追っていた「悪玉」のエンジェル・アイも加わり、最後は3人の決闘に。
ここは結末を知っていてもドキドキしますね。あとはトゥーコが墓場で金貨が隠された墓標を探すシーンも好きです。彼がおもちゃを探している子供みたいに無邪気に走っていて、ギラギラしたシーンが多い中で、何だかほっとしました。
それぞれのキャラクターがとってもよく出てて、3人とも好きなんですよ。でも一番かっこいいのはクリント・イーストウッド。ポンチョが似合ってるよね。イラストの背景もその模様なんです。
この作品は骨組みがしっかりしていて、撮り方もうまい。絵本を描くときも同じで、カット割り次第で色んな構図が描けるでしょ。読者がはっとするような見せ方や、いかに最後までページをめくってもらうかなどは参考になりますね。
3人のうちイーストウッドだけがまだ生きている。彼は監督として西部劇も撮りましたよね。いつかこんな西部劇を作ってほしいな。
聞き手・相田香織
監督・共同脚本=セルジオ・レオーネ
製作=伊
出演=クリント・イーストウッド、リー・バン・クリーフほか みやにし・たつや
1956年生まれ。代表作に「ティラノサウルスシリーズ」など。9月23日まで、世田谷文学館で「宮西達也ワンダーランド展」が開催中。 |