|
マリリン・モンローの作品は全てDVDを持っているの。彼女が演じる役柄って、女性が好きになる女性よね。地に足が着いていないというか、ちょっと不安定なところが心をくすぐるわ。
禁酒法時代のシカゴが舞台で、酒場で楽器を弾いていたジョーとジェリーはギャングの抗争に巻き込まれてしまうの。追われることになった2人は女装して名前を変え、女ばかりの楽団に紛れ込む。そこで歌手をしていたのがモンロー演じるシュガーよ。彼女が登場するのは映画が始まって20分以上経ってからだけど、現れた瞬間、ふわっと空気が変わっちゃう。あのモンローウォークの後ろ姿を見ただけでノックダウンされちゃった。
マイアミへの演奏旅行に向かう寝台列車の中、シュガーが「Good night honey」って2人にささやくの。その声や表情、全てが完璧で頭から離れないわ。かなわない恋に落ち込んだり、無邪気に周りを振り回したり、セクシーだけじゃなく、キュートで、宙を漂う妖精みたい。有名な「I Wanna Be Loved by You」など、彼女が最も輝く歌う場面も多く、モンローの魅力を存分に味わえる作品ね。
「動くマリリン・モンロー」を知らない若い世代にも見て頂きたいわ。メイク、髪形、ファッション、どれも古くさくないし、女子は翌日からもっと美容に気を使うようになるわ。どんなお化粧品よりも美しくなれるわよ。
聞き手・永井美帆
監督・共同脚本=ビリー・ワイルダー
製作=米
出演=マリリン・モンロー、トニー・カーチス、ジャック・レモンほか やまざき・とおる
1969年生まれ。出演情報などを載せたブログ(http://ameblo.jp/toru-yamazaki)を更新中。 |