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北極が舞台のSF映画です。飛行物体が墜落し、軍と博士たちは謎の生物が乗った円盤を発見。近くの研究所に持ち帰るが、蘇生した生物が大暴れして、姿を消してしまいます。残骸を調べると、動物の血を吸って成長する宇宙人で、人間よりも知力や腕力が優れている。研究のために培養を主張する博士と、撃退を主張する軍が対立する中、宇宙人が研究所の人々を次々と襲っていく物語です。
7、8歳のころ、渋谷のデパートで初めて見ました。SFやホラー映画の小道具の展覧会をやっていて、そこの特設会場で上映していたんです。白黒だから、地味な映画だなって思いましたね。怪獣映画も好きで見ていたけど、大人になって見直すと、がっかりすることのほうが多くて。でも、この映画を約40年ぶりに見たら、すごく面白かった。
宇宙人は悠然と光線を撃ってくるようなイメージがあったけど、機敏に動くんです。ドアを開けたら目の前にいて、急に胸ぐらをつかまれるような感じで、襲ってくる。突然乱暴な人が現れて周りに迷惑かけるような、理不尽な暴力性がある。一方で、軍人が博士の秘書と恋の駆け引きをするシーンなんかもあって、どこかのんびりしていて緊迫性がない。牧歌的で怖くないし、リラックスしながら見られるところが好きです。
若い人には白黒映画をもっと見て欲しいですね。古い映画には永久不滅の良さがあって、十分刺激的。馬鹿にできないなと思うんです。
聞き手・吉田愛
監督=クリスチャン・ナイビー
製作=米
出演=マーガレット・シェリダン、ケネス・トビーほか なかはら・まさや
1970年生まれ。ヘアスタイリスティックス名義で音楽活動も。近著に短編集「軽率の曖昧(あいまい)な軽さ」(河出書房新社)。 |