朝鮮戦争の帰還兵で頑固なおじいさん、ウォルトを演じるのが、監督も務めたクリント・イーストウッド。愛車グラン・トリノを盗まれそうになったことをきっかけに、不良グループの手先に使われた隣家の青年、アジア系モン族のタオや姉スーとの交流が始まる。戦場の記憶や偏見で閉ざされていたウォルトの心もほぐれていく。危害を加えられた一家を救うため、彼は一つの決心をする。
還暦を控えて、老後の生き方を考え始めた時期に見たんです。その頃は報道に重点を置いた情報番組をやっていました。政治への不満を感じ、思い悩むこともあった。そんな時期に、真摯(しんし)な生き方を忘れつつある社会や僕自身に喝(かつ)を入れる物語に覚醒させられました。ウォルトの生き様と、こんな映画を作ったクリント自身に共感しましたね。
この映画の余韻を抱きつづけている中で、東日本大震災が発生しました。メディアに身を置いているからこそ、自分にできることは何かを考えましたね。人間の生きる意味合いというのは「人のため」であると。「自分のため」だけではなく、プラスアルファを目標におかなきゃいけないと、強烈に感じたんです。
この油絵では、ウォルトにとって大切なものを描きました。愛車と、新たに見つけた大切なもの。長く生きてくると、そう簡単に考え方や生き方は変えられないけれど、彼は変えることができた。そのエンディングに感動しました。
聞き手・下島智子
監督・出演=クリント・イーストウッド
製作=米
出演=ビー・バン、アーニー・ハー、クリストファー・カーリーほか よしだ・てるみ
1951年生まれ。ラジオ「TERUMI de SUNDAY!」(bayfm)、「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛」(文化放送)などに出演中。 |
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