子どもの頃から大好きなジュリー・アンドリュースが映画出演するというので中学時代に見に行き、自分の生き方に大きな影響を受けた作品です。
サンフランシスコが舞台。アーティストの母と2人暮らしの目立つのが嫌な、さえない高校生ミアのもとに、ある日突然、ジュリー・アンドリュース扮するヨーロッパの架空の王国の女王が現れ、ミアが孫で、王位継承者であることを告げます。事実を隠してきた母や王女として連れ戻そうとする祖母に反発し、逃げ出そうとしますが、ヘアメイクやテーブルマナーなどの王女になる訓練を受けるうちに、成長していきます。学友たちに嫉妬による意地悪をされながらも、周りの応援もあって王女になる決断をし、ずっと前から彼女を慕っていた男性と結ばれるというストーリーです。
一番グッときたのが、ミアがヘアメイクを受けて、自分に自信を持ち、正々堂々とスピーチをして皆から拍手を受けるシーンです。メイクは人を素敵に変えると感じました。私も自分は人と比べて素敵じゃない、魅力的じゃないと思っていました。けれど自分も変われるかもしれない、自分を愛せるようになれるかもしれないという希望を持たせてくれました。
映画の最後に流れる主題歌も好きで、歌えるようになりたいと私の英語学習にも火がつきました。高校卒業後にはボストンへ留学、2007年のミス・ユニバース世界大会優勝者、森理世さんのメイク担当者のアシスタントを経験し、ニューヨークの美術大学も卒業、今の自分につながっていくのでした。
(聞き手・隈部恵)
監督=ゲイリー・マーシャル
脚本=ジーナ・ウェンドコス
制作=米 出演=アン・ハサウェイ、ジュリー・アンドリュースほか にしむら・こうどう
1989年東京生まれ。著書に「正々堂々 私が好きな私で生きていいんだ」(サンマーク出版)。LGBTQ啓発活動も行っている。 |
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