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小倉久寛さん(俳優)
「ブルース・ブラザース2000」(1998年)

シビれるバンド演奏 旅の余韻ひとしお

小倉久寛さん(俳優)「ブルース・ブラザース2000」(1998年)

 米国から帰国する飛行機の中で、この映画の公開直前に見ることができたんですよ。

 ブルースを聞きながら、シカゴからミシシッピを下って、ニューオーリンズのライブハウスで、そこのミュージシャンと一緒にサックスを演奏するという企画の仕事で。「聖者の行進」のテーマを吹いて、みんなでソロを回すの。僕が30歳くらいのときにテレビ番組の「笑っていいとも!」で、サックスを吹いて何て言ったか当てるコーナーに出演させてもらっていて、本当に演奏できないのに、できると思われることが多くて。1曲くらいは吹けるように、と練習したのがこの曲。つたない演奏だったけど、僕としてはすごく楽しかった。そんな余韻に浸っていたときです。

 しかもこの映画もシカゴからルイジアナまでバンド演奏しながら行く話でしょう。僕がさっきまで仕事でたどってきたところを劇中でも旅しているから、もううれしくてね。

 歌って踊るシーンが結構あるんです。一流ダンサーみたいなキレのある踊りではなくて、主演のダン・エイクロイドが曲に合わせてステップを踏むシーンや女性コーラスの人たちが一斉に踊るところとか、すごくシビれるんですよね。

 バカバカしくて、小難しくないコメディーで、車はどんどん壊すし、建物は燃やしちゃうし。エリック・クラプトンやB・B・キングとか本物のミュージシャンも出てくるから、「おお、すごい!」って。管楽器の入ったバンドが僕は好きで憧れもあったし、見ながらワクワクして、すごく楽しい映画の時間でしたね。

(聞き手・吉﨑未希)

 

  監督・共同脚本=ジョン・ランディス
  製作=米
  出演=ダン・エイクロイド、ジョン・グッドマン、ジョー・モートンほか
おぐら・ひさひろ
 1954年生まれ。舞台や映画、テレビ、ナレーションなどで幅広く活動。来年6月に東京・新橋演舞場の公演「熱海五郎一座」に出演。
(2021年12月3日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)