元「トーキング・ヘッズ」のデビッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」。この作品が原案のブロードウェーのショーを映画化したドキュメンタリーです。
友達の音楽家・山田稔明さんや近藤研二さん、仲良くしているみんなが絶賛していたので、これは見なければと。ただのライブ映像ではなく、音楽とアートを結びつけたような、ジャンルを超えた総合芸術に心から感動しました。クリエーターたちが薦める理由が分かります。
バーンさんと11人のアーティスト全員が裸足で、楽器はすべてワイヤレス。私も昨年「猫町フェス」という音楽イベントに参加させてもらったのですが、コードやマイクスタンドは演奏中けっこう気になるなと思っていたので、裸足で自由に演奏やダンスを披露する姿は衝撃的でした。
アーティストたちの性別、年齢、人種は多様ですが、衣装はみな同じ。これには、音楽や芸術を分かち合うのに「誰だってこのメンバーになれるんだよ」という、すごいメッセージが込められている気がしました。
絵は透明水彩で、昨年の猫町フェスに出演した仲間が飼い犬や猫に扮した姿を描きました。全員映画に影響を受け、バーンさんに憧れたアートと音楽を融合したイベントになりました。
私の彫刻は、触れてもらってもいい展示をしています。今後は彫刻を自由に動かしてみたいですね。「彫刻は止まっているもの」という既成概念を崩してみたい。この映画を見て、そんな妄想がどんどん広がっています。
(聞き手・片山知愛)
監督=スパイク・リー
音楽=デビッド・バーン
製作=米 出演=デビッド・バーンほか はしもとみお
1980年生まれ。動物の彫刻家。2月1日まで、日本・モンゴル民族博物館(兵庫県豊岡市)にて「はしもとみおの木彫り~くらしといきもの展~」が開催中。 |