「どうしてこんなに女の子の気持ちがわかるの?」と思える映画が好きです。自分のことが描かれているようでハッとするし、自分が絵で描きたいものと近いなと思います。
とにかく主人公のレディ・バードが可愛い。すぐうそつくしちょっとダサいけど、いとしいキャラクターです。友情・恋・家族・進学と高校最後の1年の様々なことが描かれているけど特に母親とのシーンは印象に残っています。最初はたわいない話だったのに、何げない一言でカチンときてけんかが始まるのがリアル。でも、仲が悪いわけではないんですよね。レディ・バードが大学進学で家を出ることになり飛行機で旅立つとき、見送りを夫に任せ、車に1人になった瞬間に母親が泣き出すところで自分も泣いてしまいました。
この映画を見ると、実家で母と過ごしていた時のことを思い出します。
いつもはしてくれていた花瓶の水換えを、私が誕生日に恋人からもらった花にはしてくれなくてすぐ枯れちゃって。私が彼と遊びに行くのを複雑に思っていたのかな。
でも、別のときに彼がくれた指輪をなくして泣きながら捜していたら、何も言わずに一緒に部屋中ひっくり返して捜してくれた。そういうことをいっぱい思い出すきっかけになるから、いい映画だし大切な映画だなと思います。
描いたのは主人公が運転中に故郷サクラメントを眺めるシーン。助手席で流れる風景を見ていたのが運転するほうに変わっていて、成長のシーンだなと思いました。母親と主人公の横顔が重なるカットが美しくて好きです。
(聞き手・笹本なつる)
監督=グレタ・ガーウィグ
製作国=米国 出演=シアーシャ・ローナン、ローリー・メトカーフ ほか
イラストレーター。東京都出身。2021年作品集「ゆめの水平線」刊行。書籍の装画や「葬送のフリーレン」SDイラストなどアニメの仕事も手がける。
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