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MEIさん(ガラス造形作家)
「プリティ・プリンセス」(2001年)

輝いていく姿に ときめきと勇気

 

▼「プリティ・プリンセス」をイメージしたガラス造形作品

 

 

 さえない女子高校生のミアが、実は架空の国ジェノビアの王女だったというシンデレラストーリーです。小学5年生のとき、レンタルビデオ屋で借りて留守番中に1人で見たときから、ときめきを何度ももらっています。

 

 子どものころは、思い込みが強いミアのキャラに共感しつつ、次第に毅然と生きるようになる姿を見て、幸せな気分になっていました。当時ダンスを習っていて、「人からどう見られるか」をとても気にするナイーブな性格でした。自分に自信がなく、何事も上手にできないのに目立つことは大問題だと思い込んでいた私は、ミアに出会って、堂々と生きる勇気をもらったんです。

 

 芸大生時代にも作家活動のヒントをくれました。ガラスを素材にした作品で、「どう人の感情を動かすか」という難しい課題に取り組んでいたとき。自分のときめきを作品に込めることで、鑑賞者の感情もときめかせることができるのだと、彼女から教えてもらいました。

 

 ミアの外見が大きく変わるメイクアップシーンは特に気に入っています。キラキラした場面自体も好きで、しぐさや言葉遣いがみるみるプリンセスらしく上品になっていく、物語のターニングポイントでもあります。今回の立体作品は純粋なプリンセス・ミアをイメージした耳飾り。身につけると動きに合わせて揺れ、わずかに彩られたガラス面が光の反射でキラキラ輝くように構成しました。実は私の結婚披露宴で着けてみたんです。プリティ・プリンセスになる主人公が体験したときめきを感じられるように。

 

(聞き手・片野美羽)

 

 

 
 監督=ゲイリー・マーシャル

 製作国=アメリカ    

 出演=アン・ハサウェイ、ジュリー・アンドリュースほか

 

 めい 愛知県生まれ。2019年、名古屋芸術大学卒。在学中に独学でステンドグラスの技法を習得。ガラスの立体、ジュエリー作品を独自スタイルで制作。

 ▼MEIさんInstagram
 https://www.instagram.com/f_cherrycoke/

 

(2024年5月17日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)