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神田雄一朗さん(ベーシスト)
「トランスフォーマー」(2007年)

深いストーリー 見方を変えて何度も

 子どもの頃から大好きな、乗り物がロボットに変形して戦うSFシリーズ、実写映画化の1作目です。シリーズ全体を通じて一番ストーリーが深く、変身シーンにじっくり時間をかけているところが気に入っています。
 
 劇場公開の翌年、私がベースを務める3人組バンド「鶴」がメジャーデビュー。当時所属していたレコード会社の担当者がこの映画を見て「号泣した」と言っていたのが忘れられなくて。良い映画ですが、泣くほど感傷的な場面は思い当たらず、いったいどのあたりで?と詳しく聞いてみたところ、戦いの中で仲間を失ったロボットの気持ちに共感して「泣けた」と。ロボットが人間と同じ感情を持っている、という考え方に衝撃を受けて、私も本作の見方を変えてみたいと思い、それから何度も見返しました。
 
 公開当時と比べて、現在はChatGPT(チャットGPT)に代表される生成AIが身近にあり、ロボットが感情を表現することも可能になってきました。いずれロボットとの間に友情が芽生える日が来るのかも知れませんね。
 
 イラストの主人公は、バンドのキャラクター「鶴ちゃん」。個展を開いた際に作品をバーッと並べるとインパクトが増す気がしたので、1枚を4分割して「プチ個展」のような雰囲気に。左上から時計回りに、善と悪について、車で全国のライブ会場へ向かうバンドメンバーたち、大量生産されるロボット(でも実はそれぞれに個性が……)、ロボットと同じ電気で音が鳴る楽器の演奏、をイメージしています。

(聞き手・高田倫子)

 

 
 監督マイケル・ベイ

 製作国=米国    

 出演シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックスほか

 

  かんだ・ゆういちろう 埼玉県鶴ケ島市出身。1982年生まれ。10月5日(土)・6日(日)、鶴ケ島市運動公園で「鶴フェス2024」を開催する(入場無料)。
(2024年9月13日、朝日新聞夕刊掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)