公務に飽きてしまったアン王女が、お城を飛び出して新聞記者のブラッドレーと出会います。2人は好きなことをして遊び尽くし、そして恋におちます。そのままお付き合いするのかと思いきや、別れて王女としての公務に戻る。ハッピーエンドではないけれど、そこが好きです。きっと何年後かにブラッドレーと再会するのではないかと、続きを考えてワクワクできる映画ですよね。
アン王女がわがままな女の子になっていくところが可愛い。チャーミングだけど大胆で、品もある。理想の女性像です。物語が進むにつれて、アン王女が着ている服の袖がどんどん上がっていくんですよ。最初は長袖のシャツですが、髪を切ってからは腕をまくり、七分袖くらいになって、半袖くらいになって……彼女の気持ちの解放感を表しているのかなと。今回のイラストで描いたのは、一番袖が上がっているときのアン王女です。
彼女は自分に正直ですよね。自らの立場は分かっているけれど、それでもやりたいことがある。お城の外で過ごした1日は、彼女の「分かってはいるけれど!」という気持ちがあふれ出た1日なのだと思います。私は7年前に仕事のために上京し、最初は不安ですぐに帰ろうと思っていました。けれど来てみたら楽しい生活が待っていた。だから勇気を出して外の世界に踏み出した彼女に、見入ってしまうのかもしれません。
最後の決断は、長年王女として過ごしてきたからこそできたのだと思います。私だったら……? 1週間は帰らず、なんとかブラッドレーと一緒にいる方法を考えるかな。
(聞き手・斉藤梨佳)
監督=ウィリアム・ワイラー
製作国=米 出演=グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーンほか
みなみ・なつき 1987年、奈良県出身。絵のコンセプトは「目で見るハッピー」。11月1~24日、大阪の「C’est cool Shop&Gallery」で個展を開催。
|
公式ホームページ
https://minaminatsuki.com/#:~:text=minami%20nat
Instagram
https://www.instagram.com/punipuni729/
▼南夏希さんのロングインタビューはこちらからお読みいただけます