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横山ゴローさん(イラストレーター)
「河童」(1994年)

未知で不気味 好奇心くすぐられる

 物心ついた頃に見た映画で、河童がすごく怖かったことを覚えています。でも、ただ怖いだけじゃなくて、「この先何が起こるんだろう」と気になってしまう作品。幼かった自分にとって、妖怪である河童は未知で不気味な存在でした。

 主人公の少年・雄太と、河童の子供は似た境遇を持っています。雄太は母を亡くし、東京から父とともに田舎に引っ越してきますが、子供たちに度々いじめられてしまいます。洞窟で過ごしていた河童の子供も遊び相手がおらず、ひとりぼっち。出会いのシーンでは雄太がものすごくおびえていましたが、徐々に絆が深まっていく。

 「少年が河童の家に遊びに行くとこういう様子かな」と想像してイラストにしました。洞窟の中のシーンは宇宙空間のように見えたので、夜空を描きました。

 自分と年の近そうな子供が出演していたこともあり、自分が登場人物になったような目線で見ていたんだと思います。村の神様としてあがめられている河童は正体不明で怖いけど、なぜか好奇心がくすぐられる。自宅に映画のビデオテープがあったんですが、この作品だけ不気味な妖気を発していたような記憶があります。

 2021年から絵日記をSNSで投稿しています。毎日できることをやるという目標で続けていて、退屈な日でも何かしら描くことがある。幼い頃、好きな映画を絵で再現したくて何回も見まくって、海賊や宇宙船のような現実離れしたものもよく絵にしていました。その頃の〝貯金〟がいまの活動に影響しているのかなと感じています。映画とか本とか、自分に影響を与えたものを探す旅をずっと続けています。

(聞き手・大石裕美)

 

  
   監督=石井竜也   

 脚本=末谷真澄

 出演=陣内孝則、原田龍二、坂上二郎、藤竜也ほか

 主題歌=米米CLUB「手紙」

 

 よこやま・ゴロ― 1991年、京都府出身。手帳に描いた猫の絵日記を投稿し、SNSで話題に。書籍で、絵日記の手法などを紹介している。