グルジア(現・ジョージア)とピロスマニの音がいいなと思って40年以上前に3回、東京の岩波ホールに見に行きました。不遇の画家ニコ・ピロスマニの生涯を描いた物語。「放浪の画家 ニコ」だったらアニメみたいで行かなかったかもしれません。
ピロスマニは生活のために友達と乳製品の店を始めるんですが、商売上手ではなく、うまくいかなくなります。牛乳の大きな入れ物の横に、売りたいんだか売りたくないんだか、背の高いピロスマニがぼーっと立つ姿がすごく印象に残っています。
ピロスマニは生活のために友達と乳製品の店を始めるんですが、商売上手ではなく、うまくいかなくなります。牛乳の大きな入れ物の横に、売りたいんだか売りたくないんだか、背の高いピロスマニがぼーっと立つ姿がすごく印象に残っています。
いい感じで、たびたび画面の中にぴったりの絵が出てきます。下地が黒い布に描いているから暗い感じがするうえに、キリンとか動物の目がみんな悲しい。躍動感がないんです。ピロスマニの絵は大好きだけど悲しいですね。
ピロスマニに惹(ひ)かれる前に好きになったのが木版画家の谷中安規(たになかやすのり)さん。いろんな所に居候して、お金にも無頓着で、でも周りの人が優しくて彼を助けてくれる。ピロスマニと生き方が本当に似てるんですね。「安規(あんき)さん」に影響を受けて木版画を始めました。今は人の喜ぶ絵を描こうとしているから、ピロスマニの影響は受けていないです。
絵は「百万本のバラ」の歌にもなった、ピロスマニが片思いした旅芸人のマルガリータとの姿。かなわなかった恋を、絵ではかなえてあげたいと思いました。
(聞き手・清水真穂実)
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監督・共同脚本=ギオルギ・シェンゲラヤ
製作国=ジョージア(グルジア) 出演=アブタンディル・バラジ、ダビト・アバシゼほか
おおの・たかし 1951年、東京都生まれ。独学で木版画家となり、猫の木版画を中心に制作。パレット柏(千葉県柏市)にて木版画23点を常設展示。
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