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スーパー・ササダンゴ・マシンさん(プロレスラー)
「エド・ウッド」(1994年)

史上最低の監督 自分の信じた道を行く

 新潟で過ごした高校生の頃、スクリーンの中の華やかな世界への憧れを抱きながら映画館に見に行きました。監督のティム・バートンは、当時「バットマン」や「シザーハンズ」といった大ヒット作を連発していたのですが、「エド・ウッド」はかなり趣の違う映画でした。
 実在の映画監督エド・ウッドを描いた伝記的作品です。彼の映画は低予算、粗雑なセットで撮影されたものばかりで「史上最低の映画監督」と呼ばれていました。制作費集めにも苦労し、作品は評価されない。ジョニー・デップが演じる主人公のエド・ウッドはひたすら不遇なんです。
 ところが、映画を実際に見ると圧倒的に楽しそうなんです。マーティン・ランドー演じる怪奇映画界の大スター、ベラ・ルゴシをはじめ、一癖も二癖もある登場人物が集まって、どこかいかがわしい雰囲気の中で、自分の信じる映画を作りつづけている。そこがうらやましい。
 自分はプロレスの世界に進みましたが、エド・ウッドのいた映画の世界とどこか似ているようにも思えます。くせ者だらけで、もうかる保証もなく、興行的に大失敗することもある。必ずしも、ほめられるようなものでもないところが。
 改めて映画を見て、感じることがありました。
 誰もが評論家みたいな現代で全否定されることもあるけれど、迷惑さえかけなければ、好きな映画を作ってもいいんじゃないかと思ったんです。
 プロレスのリングは、スタジオみたいなもので、そこにカメラを向けていく。映画というアウトプットでプロレスを描くっていうのは、自分にしかできないことかもしれません。いろいろとひらめきましたよ。

(聞き手・見沢康)

 

 
 監督=ティム・バートン

 製作国=米国  

 出演=ジョニー・デップ、マーティン・ランドー、サラ・ジェシカ・パーカーほか

 スーパー・ササダンゴ・マシン DDTプロレスリング所属の覆面レスラー。マッスル坂井として活動も。実家の金型メーカーを経営するほか、新潟を中心にテレビやラジオで多数のレギュラー番組を持つ。
(2026年7月17日、朝日新聞掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます)