映画の美しさの原点のような作品だと思います。無声映画で情報が少ないからこそ表現できることがあり、創意工夫の尊さを感じます。
チャプリン扮するお金のない男性が、盲目の花売り娘に一目ぼれし、彼女の目の手術費を稼ごうとする。手術を終えた娘と再会し、はじめは気づかれないけれど、手を触れた瞬間に「あなただったのか」とわかる。ラストのチャプリンのはにかんだ表情が、一番強く残っています。
高校生の頃に初めて見て、今までに10回くらい見ています。チャプリンの中で一番好きな映画です。90年以上前に生まれたものが、今の技術をもってしてもこれ以上やりようがないというところまで行っているのが素晴らしく、何度見ても感動を覚えます。
言葉を超えた表現に、僕はすごく引かれます。絵やアートもそうですし、歌舞伎の舞踊も同じです。無声映画だからこそ、誰が見てもわかる。子どもから大人まで見られて、立場や肩書、人種や文化みたいなものを超えている。人と人とのつながり、その心の美しさということに終始した作品だと思います。
ハラハラするのは舞台でいつも味わっているから、映画には求めていません(笑)。穏やかな気持ちになる、明日からまた優しい気持ちで生活しようと思うような作品が、やっぱりいとおしくなってしまいます。
落語家の故・桂米朝さんが「1回見て面白いのは娯楽で、何回見ても面白いのが芸」と言っていたそうです。本当にその通りで、まさに「芸とは何か」を教えてくれる映画だと思います。
(聞き手・清水真穂実)
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監督・脚本・出演=チャールズ・チャプリン
製作国=米国 出演=バージニア・チェリル、フローレンス・リー、ハリー・マイヤーズほか
おのえ・うこん 1992年生まれ。26日まで歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」に出演中。自主公演「第十回 研の會FINAL」を9月に大阪、10月に東京で開催。
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