インデアンカレーの注文を「タマゴ入り」にしたのは社会人になってからなんです。お金を稼げるようになったので、タマゴのせたろって。一度知ったらレギュラー(タマゴなし)には戻れなくなってしまいました。欲って怖いですね。
ムラがあるものが好きなんです。だから、このタマゴであえてムラを作ります。一様に混ぜるんじゃなくて、アメーバ状にふにゃふにゃ~っと広げる。スプーンでタマゴの割合が少ないすくい方も、多いすくい方もできるのが楽しくて。
かれこれ17年間通っています。最近は東京・丸の内店ですが、元々は学生のころ、妻から大阪・梅田の三番街店を教えてもらったのが始まりでした。やみつきになったのは僕の方。ある日、妻と梅田をうろうろしている時、晩ご飯にインデアンカレーを提案したら、「一人で食べてき」と言われ、晩ご飯だけ別行動になりました。友達、レンタル依頼者たちの感想は、皆「辛い、辛い」。鼻水が垂れてくるほど辛いには違いないのですが、所により甘かったりと理解し切れない味だからハマったのかも。
インデアンカレーと聞くと、いつもの自分が頭に浮かびます。ビルの一角のカウンター席。黙々と食べる僕。隣の人も黙々と食べてる。あの感じが、すごく好きです。
(聞き手・島貫柚子)
◆東京都千代田区丸の内2の7の3の地下1階(電話03・3216・2336)。880円。午前11時~午後10時(ラストオーダーは15分前)。不定休。大阪の三番街店など10店舗。 インデアンカレー
本名は森本祥司(もりもと・しょうじ)。1983年生まれ。大阪大学大学院を卒業後、教材出版社勤務、フリーライターを経て現在は自分自身のレンタル業をする。Xは@morimotoshoji。
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