よく利用するバス停の目の前にあって、バスを待っているといい匂いがしてくるんです。ビリヤニは作るのに時間がかかる料理なので、あらかじめ作っているものを提供するお店が多いのですが、ムンタージは注文を受けてから作ってくれる。だから、いつでも出来立て。僕は熱いものは熱いうちに食べたいほうなので、すごくうれしい。
量が意外とあるし、他の料理も食べたいので、妻と一緒に行くと半分ずつ食べます。ニンジン、カリフラワーなど数種類の野菜と、カシューナッツがぶつかる食感がまたいいんですよね。少し遠くに住んでいるインド料理好きの弟に食べさせたくて、「これに作ってください」とフライパンを持っていったこともありました。
料理がおいしいというのはもちろん、南インド出身の店主、ディーナさんとしゃべるのも楽しくてお店に通っています。居心地がよくて、僕にとっては近所の楽園のような存在。本当にお世話になっています。
足し算をして価値を出しているものよりも、必要最低限の要素で構成されているものに魅力を感じます。どこまで引き算できるかというか。それは、ここの野菜ビリヤニとか、僕らの音楽にも通じるところがあるような気がします。
(聞き手・中山幸穂)
◆東京都武蔵野市吉祥寺北町4の1の2(☎0422・55・4411)。1650円。
ランチ午前11時半~午後3時、ディナー5時半~10時(土日は5時から、ラストオーダーは各30分前)。(月)休み。
くりはら・まさき 作編曲家。1959年生まれ、東京都出身。栗コーダーカルテットのメンバーで、NHK「ピタゴラスイッチ」の音楽を作曲。同グループの30周年記念ライブの開催が決定。