料理人が主人公の時代小説「みをつくし料理帖」でも登場しますが、江戸時代の人にとって小豆は厄よけや病封じで役立つ頼りになる存在でした。でも、今は、小豆って日常あまり愛されてなくて。私たちのような昭和の子どもにとって、小豆はわりと身近だったんですよ。お赤飯を炊く時は、色がきれいになるように、おたまで煮汁を空気にさらすのが、お手伝いの定番でした。
長じてお酒をたしなむようになって、ネットで見つけたのがこれ。無糖の小豆ですよ。甘くないの。小豆、塩、クエン酸しか入っていない。潔いよね。料理にも使ってみたけれど、私はこのままが最高。
一日の終わりに気が付くと、ピッと開けて、ビールを飲みながら、「今日もよくがんばったな、私~」って自画自賛。疲れていてしんどい時は「もう1袋」って。で、「1袋73キロカロリーだし、もう1袋食べよう」って、結局3袋食べちゃう時もあります。
小豆はゆでる時に「渋切り」が必要ですが、井村屋さんのこの商品は煮汁を捨てずに煮詰める製法なんですって。だから、食物繊維、たんぱく質、ポリフェノール、カリウム、鉄といった栄養も取れる。私、本当に大好きだから、もっと皆さんに知ってほしいなぁ。(聞き手・丸山実木)
◆井村屋ウェブショップなどで販売。井村屋お客様相談ルーム(☎0120・756・168、土日祝・GW・夏季休暇・年末年始除く午前9時~午後5時)。45グラム×3袋。オープン価格。
たかだ・かおる 小説家。兵庫県宝塚市出身。漫画原作者を経て、2008年デビュー。著書にベストセラーになった「みをつくし料理帖」のほか、「出世花」「あきない世傳 金と銀」など。13年に「銀二貫」で、22年に「ふるさと銀河線 軌道春秋」で大阪ほんま本大賞を受賞。