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横尾初喜さん
レストラン蜂の家 ビーフシチューとハンバーグ煮込み

 出身地・佐世保の人に愛されている老舗レストランで、子供の頃からずっと通っています。看板メニューは直径10㌢もある巨大シュークリームとビーフカレーですが、僕は昔からこの煮込みハンバーグがお気に入り。濃厚なビーフシチューとハンバーグを一緒に煮込み、ニンジン、ブロッコリー、ジャガイモなど野菜がゴロゴロと入っている。土鍋で出してくれるので、最後まで熱々のまま食べられるのがいいですね。
 長崎県内で全編ロケした映画「こはく」(2019年)の撮影中も、井浦新さんをはじめ、出演者の皆さんと何度も通いました。結構大変な撮影でしたが、僕の心の支えになったのが「蜂の家」さん。公開後、店内に僕の映画のコーナーを作ってくださり、「僕や出演者のお気に入りはこれ!」とメニューを紹介してくれたのがうれしかったです。
 映画を通して長崎を盛り上げようと、2022年に大村市に制作会社を設立しました。スタッフ、出演者とも県にゆかりのある人にこだわり、ロケ地も県内。プロジェクト第3弾の作品を現在制作中です。「蜂の家」は3年前、長崎空港に支店を出したので、地元との行き来が楽しみになりました。すばらしい食べ物も多い長崎で、映画の新たな道を切り開いていきます。

(聞き手・大和田真理子)

 

 ◆長崎県佐世保市栄町5の9 サンクル2番館1階(☎0956・24・4522)。1690円。午前11時半~午後7時45分(2時半~5時半は喫茶のみ営業)。不定休。看板メニューのカレーはオンラインで購入可。。


 よこお・はつき 映画監督。1979年生まれ、長崎県出身。「ゆらり」で商業映画監督デビューを果たし、以降「こはく」「達人 THE MASTER」「こん、こん。」などを手掛ける。最新映画「おいしくて泣くとき」が全国公開中。

(2025年4月24日、朝日新聞夕刊掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)